2004 卒業論文 waseda univ. school of social sciences. 早稲田大学 社会科学部 社会科学科 上沼ゼミ 島村佐代子 (C)2004 shimamura sayoko. All rights reserved. |
■■一章 はじめに ■■1:研究動機 ■ ■■2:セクシャル・マイノリティに関する定義 ■ 1.セクシャリティの基礎知識 ■ _「性」、四つの要素 ■ _トランスジェンダー(TG) ■ _半陰陽(インターセックス) ■ ■ 2.セクシャル・マイノリティーの割合 ■ 3. セクシャル・マイノリティ関連語 ■ ■■二章 セクシャル・マイノリティの今 ■■1:セクシャル・マイノリティとカルチャー ■ _映画 ■ _ドラマ ■ _小説・まんが ■ _まとめ ■ ■■2:セクシャル・マイノリティに関する動き ■ 1.近年の動向 ■ 2.ゲイ・レズビアンパレード ■ ■■三章 東京都の「人権施策」とセクシャル・マイノリティの問題 ■■1:東京都「人権施策推進のための指針」問題 ■ 1.指針の策定のための組織 ■ 2.問題の発端 ■ ■■2:問題の原因 ■ 1.骨子発表前の都政モニターアンケート結果 ■ 2.骨子から削除した東京都の理由 ■ 3.「削る」までの道 ■ 4.骨子における記述 ■ ■■3:指針に加えられた経緯 ■ ■■4:「削った」理由、「加えた」理由 ■ _当時の世界的背景 ■ _都知事サイドの意向 ■ ■■四章 セクシャル・マイノリティのための人権政策 ■■1:世界の政策・制度 ■ _北米 ■ _ヨーロッパ ■ _北欧諸国 ■ _アジア ■ _その他 ■ ■■2:政策・制度のこれから ■ ■■3:まとめ ■ ■■参考資料 |
■■一章 はじめに ■:1 研究動機 |
■:2「性」に関する定義 ■ 1.セクシャリティの基礎知識 |
■ 2.セクシャル・マイノリティの割合 |
■ 3.セクシャル・マイノリティ関連語 |
■■二章 セクシャル・マイノリティの今 ■■:1 セクシャル・マイノリティとカルチャー |
結局、苦しみにも二通りあって、それは認めてもらえない者と、認めなければならない者とが、それぞれ一つづつ持っているのだろうと思う。その点でいえ ば、僕の母に男言葉で話してやる閻魔ちゃんは、母が持つべき苦しみと自分自身との苦しみとを、一手に引き受けていることになる。 |
■■:2セクシャル・マイノリティに関する動き ■■ 1.近年の動向 |
■■ 2.ゲイ・レズビアンパレード |
■■■三章 東京都の「人権施策」とセクシャル・マイノリティ ■■■:1 東京都「人権施策推進のための指針」問題 |
レズビアン、ゲイ、インターセックス、性同一性障害の当事者や自己の性別に不快感を伴う人々 _1.労働、学校教育、社会教育、警察、青少年対策、DV等の暴力対策の各機関において専門相談員の設置を含め、同性愛者の相談に対応する体制をつくること。 _2.学校、職場、公務員、図書館や女性会館等の社会教育施設などで、啓発・教育の具体的計画を作成・実施するとともに、啓発・教育の拠点整備をおこなこと。 _3.同性間パートナーシップ登録制度の導入などにより、異性間と同性間のパートナーシップの間に存在する格差を解消すること。例えば、同性間パートナーや性同一性障害の当事者等を含むパートナーに都営住宅の入居資格を付与すること。 _4.同性愛者に対する差別を解消し、平等化を促進するため当事者団体との恒常的な協議期間、及び各部署との協議・調整の場を設置すること。 _5.性に関する自己決定権を奪われがちなインターセックスに対して、当事者との協議のもとに医療ガイドラインを作成すること。 |
■■■:2 問題の原因 |
『尊重されている』 | 『尊重されていない』 | |
_1 女性の人権 | 57.4% | 41.7% |
_2 子どもの人権 | 57.0% | 41.5% |
_3 高齢者の人権 | 50.1% | 48.1% |
_4 障害者の人権 | 37.0% | 59.0% |
_5 同和地区(被差別部落)出身者の人権 | 29.5% | 35.9% |
_6 アイヌの人々の人権 | 24.9% | 32.9% |
_7 外国人の人権 | 31.5% | 56.5% |
_8 エイズ患者・HIV感染者やハンセン病患者等の人権 | 15.5% | 66.9% |
_9 同性愛者や性同一性障害者等の人権 | 8.2% | 69.1% |
_10 医療機関における患者の人権 | 31.1% | 62.5% |
_11 刑を終えて出所した人の人権 | 15.3% | 54.5% |
_12 犯罪被害者や家族の人権 | 8.0% | 81.5% |
_13 犯罪容疑者や家族の人権 | 20.6% | 61.6% |
no.1 犯罪被害者や家族の人権 | 81.5 % |
no.2 同性愛者や性同一性障害者等の人権 | 69.1% |
no.3 エイズ患者・HIV感染者やハンセン病患者等の人権 | 66.9% |
no.4 医療機関における患者の人権 | 62.5% |
no.5 犯罪容疑者や家族の人権 | 61.6% |
no.6 障害者の人権 | 59.0% |
no.7 刑を終えて出所した人の人権 | 54.5% |
アンケートの実施は、2000年2月7日から2月21日まで。 アンケートの発表は、同年4月24日。 ↓ 約二ヶ月後 ↓ 指針の骨子発表は、同年6月19日・・・・提言にあった「同性愛者の人権」の明記が削られていた。 |
_1.同性愛者の人権を含めることには、都民の理解が得られていない。 (毎日新聞が96年に行った世論調査でも、都民の70%が「同性愛を容認できない」と述べている) _2.ニューヨークで行われた「国連女性会議」でも、同性愛者の人権が文書に盛り込まれなかったなど、国際的に評価が固まっていない。 |
_.「提言」がまとまった当初は、担当部署は同性愛者の人権を積極的に入れる予定だった。 ↓ _.ところが、当初の骨子案に知事サイドから多くの問題提起があり、知事や副知事など都の幹部を交えた会議で、同性愛者の人権を骨子に含めるかについてかなりの議論があった。 ↓ _.結局、こうした知事サイドの意向や、それを受けた各局が同性愛を人権施策の対象とすることへ消極姿勢になり、最終的に「同性愛者の人権」を骨子に含まないことが決定。 |
_その他の人権問題 (このほかにも、次のような問題が人権問題とされている。) 性同一性障害のある人々などに対する偏見があり、 嫌がらせや侮べつ的な言動、 雇用面における制限や差別、 性の区分を前提にした社会生活上の制約などの問題がある。 |
■■■:3 指針に加えられた経緯 |
「近年、同性愛者をめぐって、さまざまな問題が提起されています。今後、論議を深める必要があります」 |
■ 性同一性障害者 _自分の性別に違和感を持ち、受け入れられない人がいます。自分が男性であるか、女性であるかという意識と肉体的な性別とが、気持ちの中でしっくりいっていない状態、あるいは受け入れられない状態にあることを性同一性障害といい、近年、医学的治療も始められています。 _しかし、外見と保険証の性別が異なることなどから、就職や住居の賃借を断られるなどの差別や偏見があります。こうしたことから2003(平成15)年に性同一性障害者性別特例法が制定され、2004(平成16)年7月からは一定の法的要件を満たした場合には戸籍上の性別が変更できることとなりました。 _性に対する理解を深め、差別や偏見をなくしていきたいものです。 ■性的指向 _人間の性愛については、異性を愛する人が多数ですが、同性愛・両性愛の人もいます。人が誰を愛するのか、決まった答えはありません。世界には、同性同士の結婚を合法としている国もあります。 _人間の性のありかたについて、理解を深めることも必要なのではないでしょうか。 |
■■■:4 「削った」理由、「加えた」理由 |
藤野千夜氏の「夏の約束」は ホモという異常な世界 を余儀なくする主人公たちのスケッチだが、これがまともなヘテロの人間世界だったら何の劇性もありはしまい。という批評は偏見に依るものだといわれても、私にはあくまで一人の読者として何の感興も湧いてこない。平凡な出来事の中で描いてホモを定着させることが新しい文学の所産とも一向に思わない。私にはただただ退屈でしかなかった。 |
_.同性愛者の中には、好みでなっているものもいる。好みでなっているものにまで人権施策を拡張する訳にはいかない。 _.都の人権施策とする以上、人間の存在と尊厳に関わる問題でなければならない。同性愛者の問題が果たして、そういう問題だといえるのか。 |
■■■■四章 セクシャル・マイノリティのための人権政策 ■■■■:1 世界の制度・政策 |
■■■■:2 政策・制度のこれから |
■■■■:3 まとめ |
わたしが「男」ないし「女」という意味づけでは決して理解し得ないあなたを理解しようという契機があって初めて、私自身を「男」ないし「女」という意味付けでは決して理解しえない存在として理解していくことができるようになるからである。 |
■■■■■参考資料 |