ところが「農業は儲からない」ということを改善すれば、農業は非常においしいビジネス
だということに気がついたのである。まず、需要はほぼ安定しているので巨大な雇用の受
け皿となりえるのである。また昨今叫ばれている「安全で安心な食」に適うことができる。
自然の中で生きたい、という人の本能にも答えることができる。など、魅力あるビジネス
なのである。
そこで農業が儲からない最大の理由は、やはり小規模経営となってしまったからだと考え
た。農地を広げ、大規模経営にするには手段は様々だが、ひとつの会社として経営する事
によって、大規模経営が可能になるのでは、と思い研究テーマを設定したのである。
・経営と所有が分離しているので、機動的・効率的な事業運営と資金調達が可能。つまり
会社を経営する人間が資金調達などをし、実際に農業をする人間が作物を作るのに専念す
るという『分業化』が可能になるということなのである。
・新規の労働者を受け入れやすいので雇用の受け皿となる。
・農村地に人が流入してくるので、農村の活性化につながる。
・有限会社に比べ、構成員に制限がないため、規模を大きく出来る。
・取締役会に大きな権限があるため、会社の方針を決定しやすい。
●株式会社化の現状
・実は株式会社化は既に可能となっていたのである。
・2001年 農地法改正 ※改正にいたるまでの詳しい流れをいつか発表。
・1962年創設の農業生産法人の要件を緩和。以前は合名・合資・有限会社及び農業組合法
人のみであったのを株式会社でも可能にしたのである。
●株式会社参入を阻む壁
・一般企業が農業法人に出資する場合、出資額が25%までという制限がある。そのため取
締役会を中心とした主導的な経営が出来ない。つまり企業の思い通りの農業経営が難しく
なっている。
・農協や農業委員会など既存団体が非協力的なため、参入が困難となっている。
・根本的に農業経営は軌道に乗るまでに時間がかかるため、莫大な資金がかかる。そのた
め中小企業や、ベンチャー企業などが参入するのが困難になっている。
●発表の改善点
・農業の株式会社化というのは問題解決のあくまで手段である。現代農業問題とのリンク
が必要。つまり、株式会社化は意味・役立つ要素はあるのか、という証明が必要。具体的
には「農業は割に合わない事業」という『常識』を覆すことである。
・農業の株式会社化で成功した企業の具体例が必要である。具体的には事業例・場所であ
る。さらに、雇用吸収の具体例も必要である。
※これにはカゴメ、キューピーの例をとり発表したい。さらに一から始めた事業主の例も
調べていく予定である。
・「生産性が高いと社員は必要ないのではないか。」という問いへの反論証明を考える。
・外国での事例があれば、日本での現状を説明しやすいのではないか。
Last Update:09/08/30
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