政策科学研究

上沼ゼミナール4年 松本 善史


研究テーマ:遺伝子組み換え食物について





    研究動機

    最近マスメディアなどでも問題視されてきて、母親も食べ物のアレルギーをもっており、 昔から無農薬の野菜や食べ物の重要性について教えられてきたので、食物について関心を持ちました。

    そして、昨今食品のアレルギー表示が目に付くようになってきたりしているように思え、また、消費者の側も自ら食べる食料について慎重に考えて買う人が増えているように感じました。また、より安全で新鮮な食品を求める消費者だが、ほんとに口に入れているものは、安全なのか?遺伝子組み換え食品は安全なのか?など未だわからないことも多いと思いました。

    そこで遺伝子組み換え食品については、よくわからないことも多いと自分自身でも感じていて、それらのことから身のまわりの食品に関する問題で遺伝子組み換え食品の問題について研究していきたいです。


    章立て

    第1章

    「遺伝子組み換え」とは?

    第2章

    安全性の審査

    第3章

    肯定派の意見

    第4章

    否定派の意見

    第5章

    日本の表示義務について

    第6章

    世界の状況について




    「遺伝子組み換え」とは?

    「遺伝子組み換え」とは?

    そもそも遺伝子というものはタンパク質をつくりだすもの!! 遺伝子を「組み換える」、というよりは、「つけ加える」技術である。 また、そのような遺伝子が付け加えられると新しいタンパク質が つくりだされる
    EX)「害虫に強い遺伝子」を付け加える
                 ↓    
    「害虫に強いタンパク質」がつくられる そして、このたんぱく質によってその効果を発揮する。
    それを食料品にも応用したのが遺伝子組換え食品。遺伝子 組み換え食品に使われている技術は全体の約7割が除草剤耐 性を持ったものであり、次が殺虫性です。

    安全性の審査

    遺伝子組換え食品の安全性の審査は、食品安全委員会に おいて科学的に実施されています。  

    具体的には、
       
    遺伝子の安全性
       
    @遺伝子により生産されるたんぱく質の有害性の有無
       
    Aアレルギー誘発性の有無
       
    B遺伝子が間接的に作用し、他の有害物質を産生する可能性の有無

    これにより、2001年4月1日から、安全性審査を受けていない遺伝子組換え食品又はこれを原材料に用いた食品は、輸入、販売等が法的に禁止されています。
     

    肯定派の意見


    @安価で健康によい(消費者) ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養分を従来より 多くの含んだ作物の研究がすすめられてる。  それらは、生活習慣病予防の観点から、栄養素や 機能性への注目されている
    EX)ゴールデンライス    βカロテン(ビタミンAの前体)を豊富に含む
      
    フラボノイドを強化したトマト    糖尿病や心血管疾患のリスク低下が期待


    A育てやすい(生産者) 遺伝子組み換えによる開発
        ↓
    1)害虫に強い作物を開発することにより、病害虫による損失を抑えることができる
     
    2)耐塩性を向上させ、塩害地でも栽培できる作物や過酷な条件下でも生育可能な作物の研究など

    B人口増加による食糧不足の解決(マクロな視点)
    <問題> 1960年代には30億人余りだった世界の人口は、2001年には 61億人を超え、2050年には90億人に達するとの予測もあり ます。国連の統計によれば、現在8億人が慢性的な栄養不 良、との結果も出ています。また、その一方で、農耕地は砂 漠化や海水面の上昇によって減少しています

    <解決策として> より多くの実をつける作物や、比較的短期間で実る作物を開 発すれば、その収穫量が増すなど、食糧増産の有益な手段 のひとつと考えられています。

    否定派の意見


    @安全性は、十分に立証されたとはいえない。

    見た目、主成分、性質などで普通の作物と比較しているだけで、長期にわたる健康への影響や、赤ちゃんへの影響といった、消費者の健康と安全は守られないのではないか
      
    A第三者機関の安全性のチェックがない。
         
    厚生労働省の審査しか今のところチェックしていない現状

    日本の表示義務について


    流通している農作物は、主成分や栄養素が既存の農作物と比べてもあまり差異がないので、検査によって組み込んだDNAや組み込んだDNAによって新たに作られたたんぱく質が確認できる加工食品については、表示が義務付けられている。 また、加工食品については原材料のうち重量に占める割合が3位以内のものかつ、割合が5%以内のもの、となっている。 また、店頭でよく見る「遺伝子組み換えでない」といったものは、メーカー側が自主的に表示しているもので、義務表示ではない。

    世界の状況について


    アメリカ

    アメリカでは、従来のものと同等であるという観点から、遺伝子組み換えに関する表示は義務付けられてはいない。 アメリカの表示制度は、「遺伝子組み換え作物を使っていません」と表示することによって、「組み換えではないほうが優良である」との誤認が生じることは望ましくないという考えに基づいています。

    EU

    商品化にあたっては、まず、市場導入する国に申請して安全性の確認を受けます。その後、他の加盟国とEUによって安全性審査を受けるなど、厳しい審査を通過しなければならない。

    参考文献一覧


    Last Update:2010/7/30
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