孤独死問題
社会科学部5年
政策科学研究ゼミナールⅢ
杉本 草平
研究動機
孤独死問題について興味が湧いたのは、大学二年生の春休みに石巻へボランティアに行ったことがきっかけとなる。私が石巻ボランティアへ行った時期は、震災から約一年が経とうとしていた時期であったため、石巻のニーズはハード面からソフト面へと重きが置かれていた。そのため、石巻での活動のほとんどが仮説訪問、在宅訪問という石巻の方々へのソフト面のケアであった。阪神淡路大震災において、仮設住宅内での孤独死問題が大きく取り上げられたことから、2011年3月に起きた東北大震災では、その教訓を生かそうと孤独死を防ぐ活動をボランティアとして行っていたのだ。孤独死というと、なにか自分から離れたことであるように感じていた。しかし、実際に石巻に行って石巻の方々とお話してみると、孤独死に対して大きな問題意識が芽生えた。急に生活環境が激変してしまう苦しみ。家族が、友人が、突然亡くなってしまう苦しみ。表向き元気そうではあるが、時折見せる悲しそうな、苦しそうな表情。もしかたら、今は元気そうな石巻の方々であっても一部の方々は孤独死へと向かってしまうかもしれないそう強く思った。ボランティアを終え、地元に帰った後も石巻、東北大震災について考えていたが、その考えていたことのほとんどが死についてだった。多くの命を奪った東北大震災は、自分にとって死を強くイメージするきっかけとなった。死の間際に誰もいない、亡くなったのにも関わらず、自分に気づいてもらえない孤独死はなんとしても解決したい問題である。これらが私が孤独死問題を研究したい動機である。
章立て
- 第一章 孤独死とは
- 第二章 孤独死問題における政府の取り組み
- 第三章 地域福祉推進市町村の取り組み?行田市を例にあげて?
- 第四章 孤独死問題における上尾市の取り組み
- 第五章 孤独死問題における民間の取り組み?常盤平団地を例にあげて?
- 第六章 孤独氏問題における企業の取り組み~LDCソリューションズ、東京ガス、日本郵便を例にあげて~
- 第七章 総論~孤独死問題への政策提言~
解題
一章 ・孤独死とは
孤独死とは何か?とは現在明確に定義されていない。しかし、現状、「主に身寄りのないものが、誰にも気づかれることなく、生活中の突発的な疾病等によって死亡すること。発症直後に助けを呼ぶことができずに死亡するケース」とされるのが一般的だ。また、孤独死、孤立死との違いについてだか、実際には孤独死、孤立死については違いはなく、厚生労働省による、平成22年高齢社会白書を引用すると「誰にも看取られることなく息を引き取り、その後、相当期間放置されるような「孤立死(孤独死)」」 (平成22年 高齢社会白書)よりとなっている。孤独死と孤立死の違いは、一般に知れ渡っている呼ばれは孤独死であるが、政府や行政等公の場では孤立死と呼ばれている。という認識で間違いではないであろう。私研究においては、分かりやすいように孤独死という呼称で統一し研究していくこととする。
・孤独死の経緯
(平成23年高齢社会白書より抜粋)
上記グラフは、都市再生機構が運営管理する賃貸住宅で、単身移住者がだれにもみとられることなく賃貸住宅内で死亡した件数である。
孤独死が年々上昇していること、65歳以上の高齢者に顕著にあることが分かる。
・孤独死の経緯
(平成23年高齢社会白書より抜粋)
上記グラフは、昭和62年から平成18年までの男女別の孤独死の発生件数を示している。昭和62年では男性は788人、女性は355人の方が孤独死されている。男女とも増加傾向にある。特に男性での伸び率が高く、平成18年では2362人、女性1033人となっている。
・孤独死の原因

上記グラフは孤独死の主な原因を四つの要素に分けたものである。
身体、精神、経済、社会と孤独死の原因としてあげられるものは様々だ。どれもが孤独死へと結びつく原因となる。
これらはいずれも孤独死を引き起こす要素の一つであって、これらの問題があるからといって誰もが孤独死という形で死を迎えるわけではない。しかし、根本的な問題とすると、人間関係の遮断であると考えられる。そのため、孤独死へといたる人間関係の遮断をどう防ぐことができるかが、孤独死解決への一番の近道であると想定し、地域コミュニティーの希薄化等、人間関係に直接に関わる部分を今後の研究の軸とする。
二章 ・孤独死問題における政府の取り組み
政府が孤独死問題に積極的に関わっている事業は、厚生労働省の取り組む「生活安心事業」である。生活安心事業とは何か?厚生労働省HPを引用すると次のようにある.。
「「安心生活創造事業」は、厚生労働省が選定する地域福祉推進市町村が実施するモデル事業です。
この事業では、「悲惨な孤立死、虐待などを1例も発生させない地域づくり」を目指しています。各地域福祉推進市町村は、この事業の「3つの原則」に基づいた取組みを行います。例えば一人暮らしや夫婦のみで暮らす高齢者や障害をお持ちの方の世帯などであっても、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう支援します。」
引用文中にある三つの原則、地域福祉推進地域とはなにか?順に解説したのち、生活安心創造事業について述べる。
「3つの原則」とは?
以下、厚生労働省HPより引用
安心生活創造事業は3つの原則に基づいた取組みを行うことが必須条件です。
なお、各地域福祉推進市町村の人口規模や地域の特性は異なることから、3つの原則への取組みを前提としたうえで、具体的な事業内容は創意工夫し、自由に展開することができます。
原則(1)
地域において、基盤支援(見守りや買い物支援)を必要とする方々を把握することと、その方々が普段の生活においてどのようなことに困っており、どのようなことを必要としているのかを把握すること。
原則(2)
原則(1)で把握した基盤支援を必要とする方々が、もれなくカバーされる地域の支援の体制をつくること。
原則(3)
原則(1)と(2)を支える、安定的な地域の自主財源確保に取り組むこと。
地域福祉推進地域とは?
以下,、厚生労働省HPより引用
「少子高齢化が急速に進行する中、各地域では、高齢者や児童などへの虐待や孤立死の問題、認知症高齢者を狙った消費者被害の問題、災害時に支援が必要な方への対応の問題など、様々な生活課題が顕在化しており、地域福祉の再構築が課題となっています。
こうした中で、市町村と国とが協働して地域福祉の推進に取り組むため、全国58か所程度の市町村にご協力いただき、安心生活創造事業の実施やその効果検証、地域福祉推進ネットワークの形成、意見交換の実施、先駆的取組みの情報発信などを行うこととしています。」
現在地域福祉推進地域は58か所に存在する。
生活安心創造事業の特徴として挙げられるのが、対象者が高齢者、障碍者のみならず、地域から孤立する可能性があり、定期的な支援基盤が必要なすべての者、世帯という点である。しかし、平成24年現在、生活安心創造事業の最終成果報告を参照すると、制度からもれる人たちの把握が想像以上に困難であること。孤独死対策自体を望んでいない層が存在する
人情報問題)男性高齢者以外の孤独死層の増加。という孤独死問題が一筋縄ではいかない問題であるとのことが伺える。これら問題に対し、より包括的な対策が必要であると政府側は発表している。
第三章 ・地域福祉推進市町村の取り組み?行田市を例にあげて?
私が現在埼玉に住んでいるということ、埼玉県で唯一地域福祉推進市町村に選ばれているということから、地域福祉推進市町村の一つである行田市の取り組みを研究していく。
行田市のデータとして、 行田市 人口86,364人 高齢化率22.6%
平成24年度において、全国の高齢化率は23.1%であるから、全国水準的な高齢化率と言えよう。
行田市の生活安心創造事業と取り組みとしては大きく二つの活動がある。一つに「ふれあい見守り活動」二つに「いきいき・元気サポート制度」である。行田市ではこの二つを総称し、「地域安心ふれあい事業」と呼ばれている。順に追って解説を加える。
「ふれあい見守り事業」とは?

上記図はふれあい見守り事業を簡潔に示したものである。行田市のHPを引用すると、「市と行田市社会福祉協議会が連携し、市民や民生委員・児童委員、関係機関とのネットワーク構
築を進め、見守り体制の充実を図ります。みんなで力を合わせて見守り活動を行い、一人暮らし高齢者などが地域で安心して暮らせるよう取り組みます。」というものになっている。
それまでの行田市における、縦割り行政を立て直そうと包括的に地域を見守ってゆこうとする活動であることが見受けられる。また、このふれあい見守り事業は、「支えあいマップ」という地域間での要支援者への把握マップ作成に大きく貢献しており、市民のニーズ把握への努力を感じる。
次に「いきいき・元気サポート制度」とは?
以下行田市HPからの引用。
「いきいき・元気サポート制度(有償ボランティア)は、共助の理念に基づき、日常生活において支援が必要な高齢者、障害者等に対し、いきいき・元気サポーター(有償ボランティア)(30分/350円)として登録された方々による、ちょっとした支援として、見守り、片付け、電球交換、買物支援等のサービスを提供します。」
「「いきいき元気サポーター制度」で、ボランティアの育成をして謝礼として商店共通商品券を受け取ることができるような仕組みを今、推進しております。この動きで目指しておりますのは、住民が中心となった地域ケアネットワークです。」
行田市では平成22年1月からこの事業を開始しており、参加のべ人数は以下の通りである。
平成24年3月現在登録サポーター数 216 名(男性 81 名、女性 135 名)
(40 代以下 10 名、50 代 24 名、60 代 125 名、70 代 50 名、80 代以上 7 名)
・延べ利用者数 1,483 人
(男女別内訳:男性 610 人、女性 873 人)
(年代別内訳:40 代以下 34 人、50 代 41 人、60 代 61 人、70 代 462 人、80 代 885人)
・延べ利用時間数 1,616 時間
・支援の内容:買物支援、掃除、ゴミ捨て、話し相手・見守り、外出支援等)
第四章 孤独死問題における上尾市の取り組み
次に私の出身地である、上尾市の孤独死問題対策について考察する。
上尾市の現状把握からはじめる
(上尾市HPより作成)
上記表は上尾市の総人口と65歳以上のしめる人口の割合を示している。人口、高齢者、高齢者比率ともに増加傾向にあることが分かる。平成25年における上尾市の高齢者率は23.24%。平成24年度の全国平均高齢化率が24.1%なので、上尾市の高齢化率は全国平均からは若干低いが、高齢化率が21%以上であることから、上尾市もまた超高齢化社会であるといえる。
(上尾市議会HP 議会録より作成)
上記表は上尾市における単身高齢者数・孤独死者数を上尾市議会HPをもとに作成したものである。高齢化率の上昇とともに単身高齢者数も毎年増加傾向にあり孤独死者数も毎年増加していることが分かる。
上尾市の孤独死対策事例
・配食サービス事業
高齢者で買い物が困難な人に向けてお弁当を自宅まで届ける配食サービス事業を行っていた。このサービスの際、ただ配るだけではなく孤独死予防もかねて、しっかりと安否確認をして、高齢者との交流があるようにしていた模様。しかし、このサービスは平成24年を持って廃止している。理由は利用者の減少と予算捻出の困難。現在、配食サービス事業は、民間の配色サービス事業の紹介というかたちで代替している。
・見守り訪問ボランティア
定期的に単身世帯世帯の高齢者を訪問し、諸問題の早期発見のために相談や支援を行うもの。見守り訪問ボランティアも配色サービス事業の代替策として行っている。代替策としての事業なので、元配色サービスの利用者のみのサービス展開となっている。完全ボランティア制であることとボランティア数の少なさから今後の発展は困難。
・上尾市要援護高齢者等支援ネットワーク構成機関

上記表は上尾市要援護高齢者等支援ネットワーク構成機関の関連機関をまとめたものである。上記以外にも乳飲料配達会社や住宅支援事業所等がある。平成25年より発足した機関である。上尾市としては、家族知人以外の人で市民に一番近い人は業者の方だと判断し、新聞、ガス、配食サービス等の事業所と連携し見守り活動を行っている。特別なことを関連機関に要請しているのではなく、何か変化があった場合に行政に報告が行くネットワーク構築を図っている。
第5章孤独死問題における民間の取り組み?常盤平団地を例にあげて?
常盤平団地の背景
千葉県松戸市常盤平にある大規模UR賃貸住宅(旧日本公団住宅)である常盤平団地は、1960年に団地完成が完成し当時は大人気であった。がしかし、時が経つにつれ団地の高齢化が進む。
下記表を見てもらえれば分かるが、団地住民の高齢化が深刻である。2006年においては65歳以上の高齢者は2499人となっており、団地の高齢化率は29.8パーセントまで上がっている。

1988年頃から先ほど言った日本住宅公団から家賃値上げが決定した。団地自治会や住民は公団の家賃値上げは社会的弱者への配慮に欠けると主張し、裁判が始まる。しかし1992年に敗訴。
そんなさなか、白骨下三年経過事件が起きる。団地のダイニングキッチンで白骨死体となって男性69歳(Aさんとする)が発見されたのである。なぜ三年間も気づかなかったというと、元々Aさんは近所の人とあいさつをするでもなく、怖い人だと思われていたことと、家族とも縁を切っていたことや家賃が口座からの自動引き落としとなっており、団地担当者も気づくことができなかったからだ。その貯金が底をつき家賃不払いとなった際に担当者がAさんを訪問したところ発見された。まさか亡くなっているとはだれも思わず、事後の対策について、どうしたらいいのか、打つ手がわからないという状況であった。
その一年後、団地でBさんが(男性50歳)がなくなっているのではないか、という噂が広がった。Bさん宅から異臭がする、網戸に無数のハエが止まっているということで、訪問してみるとBさんは炬燵に伏せてなくなっていた。
この二つの出来事を大きなきっかけとして、常盤平団地は孤独死対策へ取り組むこととなった。
裁判により住民間や常盤平自治会、旧公団(UR都市機構)との信頼関係が構築された。裁判という大きな挑戦によって、自治会を中心とした住民自らの固い結束力を構築することが可能になったと考えられる。裁判はお互いに相当なエネルギーを費やしたが、現在では孤独詩対策において、UR都市機構と常盤平団地自治会が共同して取り組み、UR都市機構側もイキイキサロンの家賃を減免するなど、両社は共同して、孤独死対策に取り組んでいる。
常盤平団地の孤独死対策

見て分かるように常盤平団地は多くの取り組みをしている。中でも私が素晴らしいと思ったのは、赤字になっている部分の、シンポジウムの開催。マスコミへの取材協力、毎月理事会を開催している点。他の取り組みは、多くの地域でやっているところが多いが赤字の取り組みをしている地域は少ないと考えられる。
次になぜこの三つが素晴らしいかを解説する。
・シンポジウムの開催・マスコミへの取材協力は、住民間にこの課題を広め、地域ぐるみで対応した。という意味で非常に素晴らしい。なぜなら、孤独死が発生した際にそれを地域外の人々に伝えることは、大きなリスクを伴い、孤独死が発生すると地域の評価が低くなってしまうのではないかと心配するからだ。孤独死を地域全体の問題であると捉え、地域外の人を巻き込んで活動している点は大いに評価できる。次の毎月理事会を開催している点から、常盤平団地は孤独死対策を先導するリーダーがしっかりしているということが分かる。常盤平団地を先導する主体として三つあげられ、1、常盤平団地自治会、2、常盤平団地社協、3、常盤平団地民生委員がある。この三つの主体がしっかりと機能しているからこそ、毎月理事会を開催することができるのだと考えられる。
孤独死を完全に防ぐことはできない。それは、人間を24時間監視しなくてはできないことだからだ。つまり、単身世帯が増えれば増えるほど孤独死者数は増加する。
しかし、孤独死者数を減少させることはできる。その担い手は行政だけではなく、地域住民のつながりだ。もっと言えば、孤独死をしっかりと問題視し、それを解決しようと地域住民を引っ張る存在が必要だ。その引っ張る存在がしっかりと活躍していたのが、常盤平団地の自治会、社協、民生委員。常盤平団地には、日本住宅公団に裁判を行うというプロセスを通し、地域で動くという土壌が形成されていた。だからこその現在孤独死対策で、他の地域より先を行っているのだと思う。
地域を支えるリーダーの存在が地域福祉の成功や孤独死を防止するセーフティーネットを担う最も重要な要因であると私は考えている。
第6章企業の孤独死対策
数ある孤独死防止を目指すNPO法人の中でも、先進的な取り組みをしていると私が感じたNPO法人を取り上げていきます。
それは「LDCソリューションズ」
孤独死問題を高齢者だけの問題と考えず、30代、40代の中年層をも孤独死のターゲットとしている点が先進的である。
従来の孤独死像である独身男性高齢者のみの孤独死対策に留まらず若年層にも孤独死の恐れがあることを啓発している。
団体説明
LDCソリューション
~30代からの孤独死防止センター~(2013年4月3日設立)
活動目標
LDCソリューション(Lonely Death CareをLDCと省略)は、"30代からの孤立死ケアセンター"として、一人暮らしの方やひとり親家庭・障害者家庭を対象に、自室内における孤立死を未然に防ぐ活動をしています。(LDCソリューションHPより引用)
LDCソリューションの考える現在の孤独死対策


照らし合わせてみて欲しい。
現状の孤独死対策には多くの問題点があるとLDCソリューションは考える。そこでLDCソリューションが考える対策は、【見守り活動を専門に活動する第3者機関が必要!】ということ。
①近隣の住民や町内会に頼ることを前提にしない
②見守られる側に見守る方法の選択を提供する
③普段の生活の一部として安否をチェックする
上記3項目を満たす孤独死対策が必要だとLDCソリューションは唱える。
そのLDCソリューションの孤独死対策は大きく二つある。
・定期連絡サービス
メール、電話、アプリの三つの内どれかを選択することができる。
・エンディングメッセージサービス
生存確認がとれなかった場合、ご本人が残しておいた遺志やメッセージを第三者へ伝えることができる。
LDCソリューションの孤独死対策につい私が考える4項目
①対面型ではないため、不注意でメール、電話、アプリを利用していなかった場合に対応できるかがわからない。
②メール、電話、アプリのみの利用だけのやり取りであれば、月々1000円の料金であっても高いのではないか?つまるところやってみようと思う層が限られてくるのではないか?
③従来型の見守り方法を批判しているが、孤独死の発見者が隣人であることが多いため、間違いなく地域住民による緩い見守り活動も孤独死の早期発見や予防につながるものだと思われる。
④中年層が孤独死を危惧しているとは考えにくい。社会的なつながりがない人がターゲットだとすれば、その人の悩みは孤独死するかもしれないという恐れより、社会的なつながりがないこと自体が最たる悩みなのではないか?
次に企業の孤独死対策について取り上げる
【日本郵便株式会社の孤独死対策】

月一回、利用者自宅への訪問又は郵便局のイベントへの参加 時に生活状況の確認を行う。
生活の様子を家族に郵送で報告というサービス。遠方のご家族からの依頼を受けてのサービス
料金が発生し、家族の依頼があるため、プライバシーに一歩踏み込むことができる点が強い。
親族のいる単身高齢者に対しては良いサービスなのではないか?月一回の訪問では完全な孤独死対策とは言えないが、月に1000円ということを考えると妥当か?
・24時間電話相談
かんぽの宿の宿泊割引
会報誌のお届け
日本郵便ではオプション(追加料金で)として電話によって毎日の体調確認を行うほか、買い物支援サービスも用意。
民間企業や地に根付いた小売店と連携し孤独死対策を行う際に、一番の障壁となるのはプライバシーの問題だ。頼まれていない状態で一歩踏み出して孤独死しているかどうかを確認することは困難である。しかし、日本郵便のこのサービスならば、料金をいただき、遠方の家族の依頼をもらってサービスを行うので、プライバシーに対して一歩踏み出すことができる。今後の展開においても現状はサービス提供地域が限られているので、さらに地方に展開。またサービスの内容においてもさらに拡充するだろう。
次に東京ガスの孤独死対策についてとりあげる

東京ガスの提供するサービス『みまも~る』
以下東京ガスHPより引用
{離れて暮らすご家族のガスのご利用状況を、携帯電話のメールやパソコンで毎日お知らせします。
日々のガスの使われ方から、お食事のしたくや入浴などの生活パターンを確認することができます。
"遠距離介護"をサポートするサービスとしてお役立ていただけます}
私の考える東京ガスのサービス「みまも~る」のメリットデメリット
メリット 見守られる側に負担が少ない。ガスの利用状況から、安否の確認は容易。
デメリット 利用が少ない場合に緊急事態なのか、そうでないかの区別がつかない。見守る側がチェックを怠るケースもあり得る。
第7章総論~上尾市孤独死問題への政策提言~
孤独死を研究するにあたって主に分かったことは以下の5つのことである。
①行政だけではマンパワーが足りず、全地域の生存状況を把握することは困難。
②地域住民やその他団体では、プライバシーの問題等何かあった際に一歩踏む出すことが困難。
③企業では、よいサービスを提供することができるが、支援を求めないかつ支援が必要な人にそのサービスが届かない。
④行政、地域住民、民生委員、社会福祉協議会、自治体、企業、NPO法人の包括的利用が孤独死防止また孤独死の早期発見につながると考えられる。
⑤民生委員や社会福祉協議会といった、地域福祉の推進をはかっている団体がいかに地域を引っ張っていくリーダーとして機能できるかが、孤独死を予防する、また早期発見をすることができる地域生み出す鍵であると考える。
上尾市の孤独死対策への政策提言
①行政、民生委員、社会福祉協議会、町内会、民間企業、NPO法人などが孤独死へのネットワークを構築し、孤立死防止学習会や情報交換会を開催しながら孤立死防止に向けた連携を行う。
上尾市の孤独死対策は行政と民間企業との連携に留まっており、包括的な孤独死ネットワークを構築できていない。よって各機関を包括的に捉えることで、地域住民との接点を増やすことを目的とする。一つの機関に孤独死対策を委任しただけでは孤独死を防ぐことが十分にできないだろう。
また各機関がその孤独死防止についての知識を共有することで、より効率的な孤独死対策を行えるのではないと考えられる。
②孤独死対策を推進するリーダーの育成
孤独死対策を行う上で必要な知識や技術の取得を支援するために、興味や関心のある市民やそのような活動をしている市民などを対象とした研修会の実施。その研修会を実施することで地域住民の孤独死に対する興味を高め、孤独死対策を行うリーダーを多く輩出することが目的。行政やボランティア、
NPO等との連携を主体的かつ先導的に行う人材育成を図る。
③学生ボランティアの活用
中年層の孤独死問題もあることから、孤独死への意識を早期から実感させるために学生のボランティアの受け入れ体制づくりを行う。
また孤独死対策の活動に関する情報提供を行い、学生の自主的な協力を促進することを目的とする。
おわりに
孤独死の原因は多岐に渡り、高齢者が増えれば増えるほど孤独死者数は上昇していくだろう。なぜなら人がいつなくなるのかは誰にも分らない。その限りでは完全な孤独死対策はあり得ず、誰にでも孤独死する可能性がある。しかし、長期間人との関わりを持たず、最期を迎えてしまう孤独死は避けることができると私は考える。人が住む場所には地域社会が必ずあり、そこにはコミュニティが存在する。そのコミュニティに参加するかしないかは本人の自由にしろ、その人が生きていると気に掛けることはできる。そこにいるのかいないのか分からない。というような人をなくす。それだけで長期的な人間関係の遮断はなくなるのではないか。それは地域住民でなくてもいいのかもしれない、行政、民間企業、NPO法人など様々な主体が人とふれあうことを大切にすることができれば、長期的な人間関係の遮断はなくなる。「隣の誰かを少し気に掛ける。」たったそれだけのことが人を孤独死から救うことになるのではないか。そんな意識が日本全体に広がれば私としては非常に嬉しい。
参考文献
厚生労働省HP(最終アクセス日2015/1/27)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/anshin-seikatu/index.html)
行田市HP(最終アクセス日2015/28)(http://www.city.gyoda.lg.jp/)
著者 吉田太一 「孤立死?あなたは大丈夫ですか??」2010年12月30日 扶桑社
編者 NHK「無縁社会プロジェクト」取材班「無縁社会?無縁市三万二千人の衝撃?」2010年11月15日 文藝春秋
東京監察医務院HP(最終アクセス日2015/27)
上尾市HP(最終アクセス日2015/1/27)
上尾市市議会HP(最終アクセス日2015/1/27)
高齢社会白書HP(最終アクセス日2015/1/28)
矢部 武 (2012/2/20)『』一人で死んでも孤独じゃない」 新潮新書
島田 裕巴 (2011/1/10)「人はひとりで死ぬ」 NHK出版
山口 道宏 (2012/11/20) 「無縁介護?単身高齢社会の老い・孤立・貧困?」 現代書館
飯窪 成幸 (2010/11/15)「無縁社会?無縁死三万二千人の衝撃?」 文藝春秋
中沢 卓実 淑徳大学孤独死研究会 共編(2008/9/15)「団地と孤独死」 中央法規
中沢 卓実 結城 康博 (2012/9/13)「孤独死を防ぐ」 ミネルヴァ書房
常盤平団地自治会HP (最終アクセス日 2014/5/29)
厚生労働省HP (最終アクセス日 2014/5/58)
千葉県松戸市HP (最終アクセス日 2014/5/29)
LDCソリューションHP(最終アクセス日2015/1/28)
日本郵便HP(最終アクセス日2015/1/28)
東京ガスHP (最終アクセス日2015/1/27)
Last Update: 2015/01/28
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