日本におけるテニスの振興策

社会科学部4年
政策科学ゼミナール
田中良平

章立て


研究動機

 スポーツは多くの人々に感動を与え大きな影響力を持つ。私自身幼少期からテニスをしており、スポーツ全般に昔から非常に興味を持っていた。大学の講義でスポーツを学問の視点から捉えるものが存在し、研究してみたいみたいという気持ちが強くなった。
 わが国では2020年に東京五輪が開催されることが決定し、国や都が全力を挙げて取り組んでいる。スポーツと国の政策には切っても切れない縁がある。スポーツの発展には国の政策による支援がかかせない。今回はそのスポーツの中でテニスに的を絞り、今後の発展について考えていきたい。


第一章 テニスの仕組み

まず第一章では、世界的見てテニスがどのような状況のなのか、どのような仕組みで大会が実施されているのかを簡単に整理してみたい。

第二章 日本のテニスの現状と問題、世界との比較

第一章で世界におけるテニスの概要を簡単にまとめてみたが、日本のテニスの現状はどのようなものか簡単にまとめたい。 →簡単に現状を調査し、世界との比較をしてみたところ、日本のテニスの振興策を考えていくためには「する」スポーツ、「みる」スポーツの二つの側面から考えなて行く必要があるのではないかと感じた。
 「みる」スポーツに関しては競技形式の変更や、人気で実力のある現役選手が一年中海外を転々としていることを考えると、現状から大きな変化を生み出すのは困難であると感じたため、次の章から「する」スポーツの観点から調査を進めることにした。   

第三章 「する」スポーツ 事例@〜D

第四章 日本のスポーツ政策

 調査を進める中で日本ではどのようなスポーツ政策が実際に行われているか、どのような目標を持っているのかをしっかりと知る必要があると感じた。そうすることで国のスポーツ政策の目標が最近になり策定されていることや法整備が進んでいることがわかってきた。

第五章 生涯スポーツ

 四章で日本のスポーツ政策を俯瞰したところ「生涯スポーツ」が一つの重要なキーワードであると感じた。また、その生涯スポーツをテニスの振興策に結び付けていくことが解決策につながると考えた。ここでは生涯スポーツについてまとめたい。

第六章 総合型地域スポーツクラブ

 これまでもいくつか総合型クラブについてまとめてきたが、どのようように普及が進められているのか、そして普及が進んでいる一つの県に注目して研究をすすめる。

第七章 政策提言

 これまでいくつかの観点から日本のテニスの振興策について考えてきた。日本では現在、野球・サッカーという二つのスポーツには多くの競技者がいて、人気を集めている。これらのスポーツと同じ取り組みをしていては現状を変えることができない。現在錦織圭の大活躍によりテニスの注目度は格段に高まっている。また、テニスは漫画等のメディアの効果で定期的に恩恵を受けているスポーツである。しかし、スター選手が登場するのを待っているだけというのも、根本的な変化を引き起せない。「みる」スポーツとしてのテニスの人気を高めるためには「する」スポーツとしてのテニスの充実をはかる必要が出てくる。 高まった人気を一過性のものにしないためには、根本的な部分の取り組みが必要だ。
そこで私は以下のことを提案したい。

―――総合型地域スポーツクラブでのテニスの実施の強化―――

 総合型クラブの普及は国が力をいれている計画であり、東京五輪が開催されるということを考えると今後より一層進展していくことが予想される。
 そこで、日本テニス協会等で実施されている普及活動の普及の対象を人ではなく、総合型クラブに向けることで今まで獲得することができなった新規の競技者や人気の向上つなげることができるだろう。
 また、テニスはスポーツとしては珍しいかもしれないが、学生がバイトとしてスクールの授業を受け持っているケースが多く見られる。ボランティアの報酬としてお金ではなく、コートの無料開放などを行うなどして学生を有効利用することによって、総合型クラブにとってネックの一つである「支える」人材を見つけ出すことができるではないだろうか。
 総合型クラブでのテニスの実施率は現在高いとも低いともいえない状態にあるが、ソフトテニスと合わせるとかなり高い数値を誇ることから、実施する環境は比較的整っていると考えることができる。今後日本テニス協会などが中心となり設置を呼び掛け、支援することが重要となる。
 また、鈍りつつある総合型クラブの普及を今後も伸ばし続けるために、国としても推奨する競技群を作成し、ある程度の明確な育成ビジョンを持つ必要があると感じた。あくまで「多種目・多世代・多志向」という基礎にあるものを失わないようにしなくてはならない。そういった前提を踏まえながらも、国にテニスの総合型クラブでの普及に力をいれるということを提案したい。なぜなら、総合型クラブの普及の目的は運動の実施率を高めることであり、生涯スポーツを促進させることにある。テニスが生涯スポーツに適しているという話はした。テニスの総合型クラブでの実施率を高めることにより、クラブ間での交流も活発になり、クラブの育成・運営の安定化にもつなげることが予想できる。
 テニスを生涯スポーツの旗頭のような立ち位置に据えることによって、政府の力を利用したテニス振興の実現を目指す。  


参考文献


Last Update:2015/1/27
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