文化財の保存環境について
早稲田大学社会科学部
政策科学研究 上沼ゼミナール
篠原有紀
私は以前から文化遺産や文化財に非常に興味があった。
幼いころから両親に連れられ、これまでに文化財保護に関する遺跡調査過程やその報告の場として展示会に多く赴いてきた。
多くの文化財やその保存施設をまのあたりにし、自分の中でそれらの持つ独特な雰囲気や伝統に強く惹かれたのである。
大学での勉強においてもそのような分野を中心と学び、さらに知識探求への熱望が生まれた。
しかし、さまざまな知識を得ていくと同時にそれらの持つ疑念や問題が多く見えてくる。
有名な企画展示には多くの人が集まるが、その中で、文化財保護のあり方について公開と調査研究、保護の間に矛盾が生じるのではないかと感じた。
本来ならば人の手が加わらずありのままの状態で保存維持することが最善な場合もある。
膨大な調査や公開において、文化財への負担は大きいのではないか。
文化財もそのままの状態を維持し続けることは不可能に近い。
完全に劣化を止めることはできないが、少しでも長くよりよい形で後世に伝えることができるように、多くの保存技術を駆使し、公開していくことが重要であると私は思う。
またさらに、保存技術・体制に関しては多方面からの知識が必要である。
調査・公開することと現状をそのまま残すことの間で多くのジレンマがあり、それらの最善策を模索するのは困難である。
文化財の最善な利用の形、残していく体制のあり方について考えていきたいと考えた。
Last Update : 09/07/21
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